自動車税制改革フォーラム主催のパネルディスカッション「第7回みんなで考えようクルマの税金」が、10/31(土)、千葉市・幕張メッセにて開催されました。「自動車税制」の問題点や見直し提案など、さまざまな意見がかわされ、活気あるパネルディスカッションとなりました。

出演者

(パネリスト) (コーディネータ−)
演出家
テリー伊藤
放送プロデューサー
デーブ・スペクター
モータージャーナリスト
御堀 直嗣
フリーキャスター
宮田 佳代子

クルマは 「あこがれ」 から 「必需品」 になった 〈テリー〉


宮田 クルマの税金をテーマに日本の自動車税制の問題点を議論するこのフォーラムも、今年で7回目。今日は“これからのクルマ社会にふさわしい税金とは”というテーマで皆さんにお話を伺います。

テリー かつてクルマはすごくあこがれの宝物、ぜいたく品でしたが、いまや「生活必需品」です。例えば地方では、高齢の親を隣町の病院に連れて行くにもクルマ。必要に迫られた移動ツールですね。

デーブ 日本にいるとわかりませんが、日本の自動車は世界ですごく尊敬されているんですよ!

御堀 クルマには自分の運転操作で自在に走る“操る魅力”がありますよね。最近はエコ運転なども普及してきていますが、実は世界で一番燃費のいい運転をするのはレーシングドライバーなんです。より少ない燃料で他のドライバーより一周でも多く走る必要があるからです。速度と燃費運転が両立できると認知されれば、新たな自動車ファンが増えるのではないでしょうか。

宮田 そんな魅力のあるものなのに、なぜか最近は若者のクルマに対する興味が薄れていますよね。

テリー 去年と今年のモデルの差なんて、一般の人にはほとんど見分けがつきません。メーカー側はただ“新車が出ました”ではなく、楽しみ方の提案が必要でしょうね。温泉やアウトレットでの買い物、大間のマグロを食べに行くとか。そのためにどのコースがあり、どのクルマを選ぶべきか。“クルマライフ”の提案ですよ。今は同じクルマに長く乗る人が多くなっています。業界も新しい展開をしないとね。

デーブ 日本のクルマはすごく性能がよく、快適なクルマライフがおくれるはずなのに、さまざまな制約が多くて、特に都心ではクルマに乗るのは面倒、という人が増えています。

御堀 20〜30代の人は私たちの世代とは違う感覚でクルマに期待していますよ。例えば“自動運転”になれば楽に自宅に帰れるとか。特長ある商品性をもう一度発見することも必要なのではないでしょうか。

宮田 事前のアンケート(※)によると、クルマを所有して困ることや持たない理由の1位が“維持費がかかりすぎる”ため。次はクルマに関する負担の中で一番割合の多い税金についてお話しましょう。 






世の中が変わってきているのに、まだ暫定税率?


宮田 現在自動車ユーザーには、取得、保有、走行の各段階において9種類もの税金が課せられています。試算では、180万円のクルマを購入して3年間で、およそ53万円もの税金を負担する計算になります。海外と比較しますと自動車本体だけに課税されるものでドイツの4倍、フランスの13倍、そしてアメリカの38倍です。日本の税金はものすごく高い!特に税負担の大きな要因とも言える暫定税率は、民主党への政権交代により来年4月に廃止予定ですが、まだ他にも問題はありそうです。

テリー 民主党がどこまでやれるかですね。暫定税率がなくなるイコール全部がなくなるわけではありません。

宮田 アメリカの税制はいかがですか?

デーブ アメリカはとにかく安いですよ。イリノイ州では普通乗用車で75ドル、オートバイは35ドル。シカゴも同じくらいです。元々アメリカではクルマはぜいたく品ではありません。高校の義務教育の一環として無料で運転を学び、16歳になったらみんな免許を持っているのが普通ですよ。だから税金が高いからクルマなんて買わないという人はいないと思います。

テリー 冷蔵庫や洗濯機を買っても重量税なんてつきませんよね。どうしてクルマだけ色々な税金がついちゃうの?クルマは日々進化しているし使い方も日常化しているのに、税金だけが昔のまま。道路はそんな簡単にへこみませんよ。それよりも、もっとウキウキと楽しくクルマを買い替えられる環境を作らなきゃ。走るとマイレージが貯まるとか。

宮田 新しい提案ですね。

御堀 今回の政権交代による暫定税率の廃止には期待しますが、複雑な税制の問題点は解決しません。例えばガソリン税や揮発油税の暫定税率が廃止され本則税率になったとします。でもその税金とガソリン代に消費税がかかる。税金に対してさらに消費税を払わなければいけないという状態は直らないんです。

テリー 飲食店でテーブルチャージを2回取られるみたいなもの(笑)。

御堀 そう。暫定税率の廃止で一部は良くなるけど、安心してはいけない、と思います。

宮田 クルマの税金のアンケートでも9割を超える方が「もっと簡素化すべき」「高すぎる」とお答えになっています。

御堀 物流はトラックの輸送が9割を占め、そのおかげでコンビニでおにぎりが買えます。クルマを持っていない人も、その恩恵を受けているのですね。誰もが生活に密着した自動車の必要性という現実を踏まえ、こんなに高い税金がどう使われているかについても、注目することです。

デーブ アメリカでは1ドル の税金が何に使われたか、必ず公開しています。何%が教育、防犯で、何%が道路か。日本国民はこれまで文句も言わずお任せ状態でしたが、これからは一人ひとりが意見を言っていかなければなりません。

テリー 政策には期待しつつ、 地球温暖化対策とかエコとか響きのいい言葉に惑わされないよう(笑)、内容をしっかりとチェックし続けないとね。

御堀 政治や行政も、現場の動向や消費者の動きをしっかり視野に入れて、誰にでも分かりやすいよう税制をシンプルに整理していくべきですね。






 
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